Dr. TAIRA のブログII

環境と生物、微生物、感染症、科学技術、生活科学、社会・時事問題などに関する記事紹介

2023-01-01から1年間の記事一覧

都道府県で異なるオミクロン死亡割合の要因は?

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2023年5月8日、感染症法の分類における位置づけが5類になりました。この措置に伴って、様々な疫学・感染情報の報告が制限あるいは中止されることになりました。そ…

コロナ流行を繰り返す日本が感染対策を放棄

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) 今日(5月8日)、COVID-19 の感染症法上の分類が 2 類相当から 5 類に引き下げられました。5 類になると政府や行政による介入措置が一切なくなります。言い換えれば、委ねられていた政府の責任がなくなるわけです。対…

マスクのランダム化比較試験批判

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 先のブログ記事で、マスク着用の効果なしとしたコクラン・レビューの誤りについて書きました(→「マスク効果なし」としたコクラン・レビューの誤り)。このレビューは、ランダム化比較試験(無作為化 [比較]…

サーベイランス検査の感染予防効果

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに COVID-19感染症の伝播・感染予防にサーベーランス(監視的)検査が有効であることは、このパンデミックの当初から世界的に主張されてきました。これは、無症状者(発症前の感染者や無症候性感染者)が病気の…

コロナ罹患後の自己免疫疾患

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに COVID-19の特徴の一つとして、罹患後に自己免疫疾患や長期症状を発症することが知られています。これらについては多くの症例報告や小規模集団を対象とした研究がありますが、その全貌は明らかにされていませ…

新型コロナは接触感染する

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 現在、SARS-CoV-2の主要感染様式は空気感染(エアロゾル感染)であるというのは科学的常識になっています。従来言われていた、接触感染や飛沫感染は少ないか稀であるということも認識されています。大きな飛…

ウィズコロナでは終息しないパンデミック

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) 2023年新年度が始まりました。テレビからは「コロナ前の日常に戻りつつあります」というメッセージがよく聞こえてきますが、勝手に人間がそう思っているだけで、COVID-19 パンデミックは続いています。そして、ウィズ…

スピルオーバーに警鐘を鳴らすWHO専門家

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに インドでは、いま、SARS-CoV-2の新しい変異体 XBB.1.16 による感染が増加しつつあります。このXBB亜系統については要注意の状況ですが、Indian Express(IE)は、この流行についてはそれほど大きくならない…

子どもの long COVID について保護者が知っておくべきこと

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、気をつけなければいけないのが long COVID(ここでは長期コロナ症と呼称)です。厚生労働省は罹患後症状と呼んでいて、日本では一般的にいわゆるコロナの後…

SARS-CoV-2感染はDNAを損傷させる

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、日本ではインフルエンザ並みとか風邪のようなものだという声がしばしば聞こえてきますが、大きな誤解です。いまだに当初の呼吸器系の疾患という先入観から抜…

遮断されるパンデミック情報

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) 米ジョンズ・ホプキンス大学(The Johns Hopkins University)は、COVID-19パンデミックが始まって以来、公に貴重な流行情報を提供してきました。しかし、今年3月10日でこの情報提供を終了したようです。NHKもニュー…

「マスク効果なし」としたコクラン・レビューの誤り

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに マスク着用がウイルス粒子の暴露、排出防止に効果があることは、リアル実験およびシミュレーションの両面から証明されています。一方で、集団レベルでマスク着用した場合の社会の感染抑止効果については、長…

昆虫食を巡る騒動ータンパク質危機はあるのか?

カテゴリー: 食と環境 はじめに メディアやSNS上で昆虫食が話題になっています。それも日本では圧倒的に「昆虫を食べる」ことへの拒否感という形で現れているようです。インターネット番組「ABEMAヒルズ」では、実に約9割の人が昆虫食に抵抗感もつことが紹…

食と環境

2023年↓ 昆虫食を巡る騒動ータンパク質危機はあるのか? 2018年↓ 食の安全と安心 カテゴリー別記事 – トップページ

高齢者に集団自決を勧めたイェール大教授ーその意味するところは?

カテゴリー:社会・政治・時事問題 2023.02.14更新 はじめに 昨年末のイェール大学経済学部の助教授*、成田悠輔氏による「高齢者は集団自決」発言は、世間を騒がせてきました。優生思想にもつながりかねないこの発言は、本人からすれば比喩的なつもりだった…

感染制御のためのハードル(バランス)理論

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 岸田首相はCOVID-19の感染症法上の分類を5類に変更すること、これを5月8日から実施することを表明しました。そしてマスク着用についても個人の判断に委ねるとの考えを示しました。本来マスク着用は感染症法…

感染症法を理解しない日本社会

カテゴリー:感染症とCOVID-19(2023年) はじめに 岸田首相は、1月20日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症法上の分類について、現在の2類相当から季節性インフルエンザと同等の5類へ引き下げることを表明しました。この春の実現について専門家…

最初の感染事例からまる3年

カテゴリー:感染症とCOVID-19(2023年) 日本で最初のCOVID-19感染者が確認されたのは2020年1月15日です。それからまる3年が経ちました。そして2年前の2月13日に最初の死亡者が出ています。当時のブログを振り返ってみると、国内で千人の感染者が確認され…

2023年を迎えてーパンデミック再考

カテゴリー:感染症とCOVID-19(2023年) 2023年を迎えました。新春早々には明るい未来について語りたいものですが、やはり気になるのはパンデミックです。1年前には「2022年を迎えてーパンデミック考」を記しましたが、ここでまたパンデミックについて簡単…

感染症とCOVID-19 (2023年)

2023年11月↓ 地球環境変動とスピルオーバー感染症の脅威 認知の霧の中にいるという米国人が増えている 感染対策としての手洗いの効果 2023年10月↓ 戦略的マスクキングと世界標準から外れた日本のマスク事情 感染症流行に際して免疫負債論を考える 「給食時の…