Dr. TAIRA のブログII

環境と生物、微生物、感染症、科学技術、生活科学、社会・時事問題などに関する記事紹介

#マスク

日本人のマスク着用は社会的規範に影響されない

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2024年) はじめに COVID-19 パンデミックが始まってからの、日本人のマスク着用率が高いことはよく知られています。政府のマスク着用に関する「個人の判断になりました」という通達があり、COVID-19 の感染症法上の分類が 5 …

戦略的マスクキングと世界標準から外れた日本のマスク事情

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 日本を含めて東アジアの国々は、一般的に、欧米に比べて衛生対策としてのマスク着用に関する意識が、個人レベルで高い傾向があります。東アジアの国では、普段からマスクの習慣がある一方、欧米ではマスクは…

マスクのランダム化比較試験批判

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 先のブログ記事で、マスク着用の効果なしとしたコクラン・レビューの誤りについて書きました(→「マスク効果なし」としたコクラン・レビューの誤り)。このレビューは、ランダム化比較試験(無作為化 [比較]…

「マスク効果なし」としたコクラン・レビューの誤り

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに マスク着用がウイルス粒子の暴露、排出防止に効果があることは、リアル実験およびシミュレーションの両面から証明されています。一方で、集団レベルでマスク着用した場合の社会の感染抑止効果については、長…

「屋外でマスクは不要」キャンペーンの危険性

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 2022.11.29更新 はじめに 前のブログ記事でも述べましたが、SARS-CoV-2のオミクロン変異体BA.5は感染力がきわて強く、基本再生産数(R0)は18.6と推定されています。これはオリジナルの武漢型に比べて約6倍、季節性イ…

ニューヨーク交通局の新しいマスク画像をめぐる話題

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 私は日頃、海外の研究者(主に微生物やウイルス学)と情報交換をしていますが、COVID-19パンデミックに対する各々の国の対策についても教えてもらっています。その中で、ニューヨーク市(NYC)にいる知人からのメー…

地域社会のマスク着用向上がコロナ感染を減少させる

はじめに 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の防御に、マスク着用が一定の効果があることは何となく理解されていると思いますが、実は学術論文レベルで見ると、「効果がある」というものと「効果はない」とする相反する報告があります。ここで注意しなけ…

変異ウイルス対応のマスクのつけ方

今朝起きてTwitterを見ていたら、物理学者のE. Topol氏のツイートが目に留まりました。新型コロナウイルス感染症のような呼吸器系感染症に対するより安全で確実なマスクのつけ方について紹介しているものでした。 Some good tips in the new @ConsumerRepor…

マスク着用シミュレーション結果のミスリード

今年になってフィールドワークとデスクワークが忙しくなり、ブログの更新がなかなか進まない状況になっていますが、もちろん新型コロナウイルス感染症に関して気になっていることは山盛りです。そのうちの一つは、大阪など6府県で「緊急事態宣言」が解除さ…

高性能マスクについて

カテゴリー:感染症とCOVID-19 はじめに 前回のブログ記事(→あらためてマスクの効果について)では、マスクの種類による飛沫防止、エアロゾル防止効果(排出、侵入)について紹介しました。新型コロナウイルス感染症対策としてのマスク着用については、一般…

あらためてマスクの効果について

2020.11.28: 08:07更新 はじめに 3月18日の本ブログ記事「新型コロナウイルスの感染様式とマスクの効果」で、感染リスクを下げる効果としてのマスク着用の重要性を述べました。当時は第1波が立ち上がり始めた頃で、世界保健機構WHOがマスクの効果は薄いとい…