Dr. TAIRA のブログII

環境と生物、微生物、感染症、科学技術、生活科学、社会・時事問題などに関する記事紹介

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

迅速抗原検査はオミクロン検出の感度が低い

はじめに SARS-CoV-2の検査は、現在、プローブ・リアルタイムPCR(RT-PCR)が標準法として使われています。一方、発症者を迅速に診断したり、感染をスクリーニングするための迅速(簡易)抗原検査(rapid antigen test, RAT)も多用されており、一部の国では…

治っていないコロナの病気を後遺症とよぶべきでない

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 2022.04.22: 18:24更新 今朝、日本経済新聞のウェブ版に目を通していたら、オミクロン変異体による COVID-19 後遺症が若年層ほど重く、仕事と治療の両立の課題があることが記事になっていました [1]。そして、ツイッ…

SARS-CoV-2の消化器感染と long COVID

はじめに 今日(4月18日)、米カリフォルニア州スタンフォード大学の医学ニュースを見ていたら、「軽症のCOVID-19患者は、ふん便中に長期間ウイルスRNAを排出する」という記事 [1] が目にとまりました。どうやら、この長期間のウイルス保持が long COVID(長…

相変わらずの貧弱なPCR検査態勢

COVID-19パンデミックにおいて防疫対策の基本の一つにになるのが検査です。今はマルチプレックス TaqMan PCR(プローブRT-PCR)という非常に高精度、高感度の分子技法が、SARS-CoV-2を検出する標準検査法として世界的に用いられています。検査の意義は以前の…

未来を変え続けるCOVID-19とwithコロナ戦略

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 日本は COVID-19 パンデミックの第7波流行に突入しています。一方で、このところ、テレビなどからきわめて楽観的な声も聞こえてきます。海外では全て規制解除しているとか、米国では誰もマスクをつけていないとか、w…

オミクロン系統の新しい変異体

2022.04.05更新 COVID-19パンデミックは3年目に入りましたが、いまはオミクロン系統(関連ブログ記事→オミクロン変異体が意味するもの)のSARS-CoV-2変異体の流行が主体です。オミクロンは、日本で第4波流行をもたらしたアルファ変異体、第5波の原因であった…