Dr. TAIRA のブログII

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2024年頭にあたってー原発はそれ自体が戦争

カテゴリー:日記・その他

COVID-19 パンデミックが始まって以来、年頭にこのパンデミックの行方を考えるのが恒例になりました。今年も COVID-19 や SARS-CoV-2 に関する最新文献を参照しながら、いろいろと考察で頭を巡らしていたら、突然スマートフォン地震警報の音が鳴り始めました。慌てて、ストーブを消し、飼い猫をキャリーケースに入れていたらユラユラと揺れ始めました。

ゆっくりとした揺れの感じと長さから、おそらく少し離れたところで起こっている地震の大きさを感じ取ることができました。東日本大震災のときに、愛知県豊橋市の大学棟内で感じた揺れに似ていました。揺れが収まったところでテレビをつけたら、能登地方の大地震を速報していました。屠蘇気分も一変に吹き飛んでしまいました。

とっさに頭に浮かんだのが、津波原発です(以下 "X" のポスティング)。石川県には北陸電力志賀原発があり、いま運転停止中ですが、原子力規制委員会が「活断層なし」と判断したばかりで、地元からは「一日も早い再稼働を」という声があがっています[1]新潟県には東電の柏崎刈羽原発もあります。

石川県トップの馳浩知事は、何と「帰省中」だそうで、地元にいないことがわかりました。自衛隊機でも防災ヘリでも何でもいいから、サッサと現地入りして陣頭指揮とったらどうかと思いますが。

官房長官の記者会見をテレビで見ていたら、相変わらずの細切れ、後だしの情報発信で、少々不信感が横切ります。

今から半世紀近く前、「原子力戦争」という言葉を使いながら、「電力会社のいう無事故とは、事故をおこさないことではなく、事故を外部にもらさず、もみ消すことだ」と評した田原総一郎氏の言葉を思い出します。不幸にして、原発事故は3.11大震災で現実のものとなり、いま日本国民は大きなツケを払わされています。

原発事業の当初から「原発はそれ自体が戦争」と表現されたように(下図[2]地震国日本では原発は凶器そのものであり、常に戦時下なのです。

思えば、2006年当時の安倍晋三総理大臣は、福島原発の事故と危険性を予測・指摘した野党質問を真に受けず、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として一切の対策を怠ったことが、いまの日本の不幸をもたらしています(→食の安全と安心)。もはや何の役にも立たない、大きな負の遺産である福島第一原発に莫大なお金と労力と時間を投じている上に、今なお大地震の度に原発ストレスに曝される日本は一体何を学んできたのでしょうか。

一方、COVID-19パンデミックは、長期コロナ症心不全パンデミックに様変わりしつつあります。

いま世界的にJN.1変異体が流行している状態であり、日本では第10波が始まっています。インフルエンザといっしょのツインデミックです。COVID-19についてはいろいろと考察中でしたが、正月の大地震でまとまらなくなりました。地震被害の全貌はこれから明らかになってきます。まさに、2024年とこの先の日本の苦難を暗示させるような出来事です。

引用記事

[1] 北國新聞: 再稼働「一日も早く」 電気代高騰で企業切実 志賀原発活断層なし」. 2023.03.04. https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1004335

[2] 津村喬・西尾漢: 原子力推進と情報ファシズム. 技術と人間臨時増刊号, pp.198-205. (株)技術と人間, 東京, 1976.

引用したブログ記事

2018年3月11日 食の安全と安心

            

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