Dr. TAIRA のブログII

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Hestina種越冬幼虫の生残率

 ゴマダラチョウアカボシゴマダラの越冬幼虫の起眠率や生残率、そして成虫までたどり着ける確率はかなり低いと言われています。一説によれば羽化まで行けるのは10%くらいとも言われています。死亡する原因としては鳥などによる捕食、ハチ・ハエによる寄生、体力消耗などが考えられています。
 
しかし、その証拠を自然の状態で見つけるのは容易ではありません。今日たまたまその一つを目撃することができました。
 
定点観察をしているエノキ低木の一つに、今朝10時の時点でゴマダラチョウが9頭、アカボシゴマダラが3頭主幹に上って静止しているのを確認しました。午後2時に再度観察に向かうとそのエノキから鳥(ヒヨドリ)が飛び立つところを目撃しました。この木に鳥が止まっているところを見たのは初めてです。
 
ひょっとしてと思いながらエノキに近づいて観察すると、ゴマダラチョウが4頭、アカボシゴマダラが2頭が消えていました。たった4時間で2種の幼虫が一度に6頭も消えるとしたら捕食以外に考えられません。おそらく飛び立った鳥に食べられたのでしょう。残念ながら動画や写真に収めることはできませんでした。
 
念のためにエノキの根元の落ち葉を探ってみたら、まだ潜んでいるゴマダラチョウの越冬幼虫とともに遺骸の一部が出てきました(写真左)。写真のようには胴体の後ろだけ残っていましたが中身がスカスカでした。これはおそらく寄生虫によるものでしょう。写真右ゴマダラチョウがいる別のエノキの下で見つけた頭部だけ残っている遺骸です。これも寄生虫によるものでしょうか。
 
イメージ 1
 
定点観察しているエノキ幼木上のアカボシゴマダラの幼虫は、すでに半数近くが消えてしまいました。果たしてゴマダラチョウやアカボシゴマダラの幼虫の何%が羽化までたどり着けるか、観察を続けていきたいと思います。
 
                                        
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