Dr. TAIRA のブログII

環境と生物、微生物、感染症、科学技術、生活科学、社会・時事問題などに関する記事紹介

都立桜ヶ丘公園


今日は東京都多摩市にある桜ヶ丘公園に行ってきました。丘陵と谷間からなる都立公園で、約34 haの広さがあります。丘陵公園だけに起伏に富んでいて、帰宅してからスマートフォンのヘルスケアデータを見たら68階分の上り下りに相当していました。

京王永山駅から徒歩15分ほどで、公園の入り口に着きました(写真1)。

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写真1

公園に入るとすぐ目の前にエノキがありました(写真2)。「おーっ、ある」と思いながら近づいて根元をつついてみるとがっかり。落ち葉はあったのですが、エノキの葉ではありません。ほとんどがコナラやイロハモミジでした。

風でエノキの落ち葉が飛ばされ、その後に別の樹木の落ち葉が積もっていたわけですね。当然ながらゴマダラチョウの越冬幼虫は見つかりませんでした。

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写真2

園内には雑木林を主体にした自然林があり自然散策に適しているとウェブ情報にありましたが、まさにその通りでした(写真3)。雑木林はコナラを主体としてクヌギヤマザクラなどが多く、ところどころにモミジ、コブシなどが混ざっていました。

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写真3

コブシの花がもう咲き始めていました(写真4)。早いですね。

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写真4

一方、幹径20 cm以上のエノキ高木はきわめて少なく、園内をくまなく探してみましたが私が目にした範囲では10本ほどしかありませんでした。この10本も根元の落ち葉がほとんどないかあったとしてもコナラなどに置き換わっており、ゴマダラチョウの越冬幼虫は1頭も見つけることができませんでした。

それどころか、エノキの根元の常連であるワカバグモ、カメムシ類、蛾の幼虫、ダンゴムシ類もまったく見つかりませんでした。

私はこれまで関東地域の20 ha以上の規模の公園を数十ヶ所訪れていますが、ゴマダラチョウの越冬幼虫が見つけられなかったのは今回が初めてです。

とはいえ、今日は暖かかったせいか越冬から起きてきたテングチョウの成虫が飛び回っていました。したがって、テングチョウの発生を支えるほどのエノキは存在するということになります。地面に止まったところを撮りましたが(写真5)、翅を完全に開いてくれませんでした。

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写真5

桜ヶ丘公園の北西部は大谷戸公園へと続いています。こちらも足を伸ばしてみましたが、ケヤキらけの公園でした(写真6)。

日本人はケヤキが好きなようで、日本の都市公園で最もよくみられる樹木の一つです。個人的に前から思っているのですが、街路樹や街の広場の樹木としてなら理解できるものの、なぜ公園を芝生とケヤキだらけにするのでしょうね。まるでゴルフ場のようです。もし生物多様性というコンセプトを考えるのなら、まったく面白みや実現性がありません。

逆に虫のつき方が少ないからケヤキを選んでいるのでしょうか。

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写真6