この時期、アカボシゴマダラの5齢幼虫は続々と蛹化しています。とはいえ、前のページでも書いたように、ほとんどの場合、食事の場であるエノキを降りて別の場所で蛹化するので、その姿を見ることは容易ではありません。どうもこの行動は越冬明けの個体に見られる特徴のようです。
ということで、エノキからどのくらいの距離を移動し、どのような場所で蛹になるのか、その実態を探っています。蛹を見つけるのは苦労しますが、この1週間の調査で少しずつわかってきました。
まず、写真1は自分が食べていたエノキの枝で蛹化した場合を示します。このような例は10%以下です。ちなみにこの蛹は、今日観察に行ったら丸ごと消えていました。鳥に食べられたのかもしれません。
写真2
次はレンギョウの植栽の中で蛹化した例です(写真3矢印)。エノキからは0.7 mほど離れていました。
写真3
写真3の蛹の拡大画像を示します(写真4)。
写真4
次もレンギョウの葉にしがみついた蛹です(写真5)。こちらは元いたエノキから0.4 mの距離です。
写真5
最後にスイセンの葉にくっついた蛹を示します(写真6)。
写真6
しかし、ヒイラギナンテンやアベリアのように幹がゴツゴツしている低木の植栽の中にエノキがある場合には、これまでそれらの植物から蛹は見つかっていません。また、エノキの周囲に草木が何もない場所ではいったいどこに幼虫は移動しているのだろうという謎があります。引き続き調査を続けていきます。